(財)グローバルヘルスケア財団附属研究所

(財)グローバルヘルスケア財団附属研究所は、前身の研究部から発展的に改組され、2021年4月1日に新設されました。

医療分野における先駆的な研究開発をとおして、世界に発信する開発型医療・健康・情報分野の発展と、コミュニケーション分野における次世代の能力開発を目的としています。研究部門は、「医療イノベーション部門」と「国際コミュニケーション部門」から構成されます。

本財団は、研究開発の成果を迅速に社会に還元することを使命としています。研究所では、文科省のみならず国の政策による助成金にも積極的に参画し、チーム一丸となって研究プログラムを推進・充実させたいと考えています。

医療イノベーション部門

教授1名、研究員3名、講師採択予定

・再生医療の研究
肝臓、膵臓、脳を対象に、細胞塊治療法の研究を行う。東大、東京医科歯科大、琉球大、愛知医科大などと共同研究を行っている。企業連携も積極的に行い、新たなデバイス開発を行っている。臨床研究は、整形外科領域において、「変形性関節症に対する幹細胞塊治療」を医療機関と共同で行っている。

・ロボット医療の研究
内視鏡手術支援ロボットとして、ダビンチは普及している。ダビンチの操作性の問題点を解決するために、新たに手術用多関節ロボットを名古屋大学、名古屋市立大学と共同で研究開発している。

・AI医療の研究
近年AIの健康医療分野への応用はめざましい。しかし、Almedicalによれば、日本の研究は国際的に乏しく評価が低い。オンライン診療の拡大を目的として、整形外科領域におけるオンライン診療を補完するAI画像診断法の研究開発を行っている。

・遠隔医療の研究
保有するキューブサーキット技術特許をもとに、小口径人工衛星群による低軌道衛星通信網(衛星コンステレーション)を構築し、地上通信網を低コストに補完した、「地上宇宙区別なく、超リアルタイム通信網」の健康医療分野における活用方法の研究開発を行っている。特に、人工衛星ネットワークは、どこでもリアルタイム性のある通信環境を確保でき、PHR(Personal Health Record)、ウェアラブル医療、自己医療、AI予測医療を病院医療・オンライン診療(遠隔診療)と結びつけることにより、病気を治す価値に加え、病気にさせない価値、何か異常があった際に速やかに処置できる価値についての研究開発を行っている。

・人口脳の研究
再生医療の技術基盤をもとに、人口脳の研究を行っている。再生脳神経細胞塊を用いた高次機能を有するニューラルチップの開発を行っている。

国際コミュニケーション部門

教授1名、研究員3名、講師採択予定

・Medical Humanitiesの研究
医学・医療と人文科学系との融合による学問体系を研究テーマとし、国内では名古屋大学、京都大学、慶應義塾大学などとの共同研究。ロンドン大学キングスカレッジDr. Brian Hurwitzとの連携で、2019年9月京都大学芝蘭会館での国際シンポジウムをはじめ、国内外での積極的な研究を推進している。

・ヘルスコミュニケーションの研究
医療分野における言語運用能力の開発研究。カリキュラムやテキストの在り方、Narrative Communicationの手法及び、教育開発プログラムなどの研究。具体的にCBMS(Certification for Bilingual Medical Staff)による実践的英語運用能力の研究開発。日本ヘルスコミュニケーション学会で研究発表(2020年9月、2021年10月)。その他、MLA(Modern Language Association)におけるセッションリーダーを務める。

これまでの取り組み

  • 医療イノベーション部門が第20回日本再生医療学会(2021年3月11日~13日)にて学会発表を行いました。
    演題:KOOSスコアを用いた変形性膝関節症へのPRP治療の効果予測
    演者:岩田 久

    演題:脂肪内幹細胞塊を用いた変形性膝関節症臨床研究
    演者:岩田 久

    演題:3次元細胞培養デバイスTASCLを用いた細胞塊文化誘導法の検討
    演者:薮田 末美

  • 国際コミュニケーション部門が第13回日本ヘルスコミュニ―ケーション学会学術集会(2021年10月2~3日)にて一般演題発表(オンライン)を行いました。
    演題:医療分野における英語コミュニケーションの課題と展望
    筆頭演者:松山 絢香

    第12回日本ヘルスケアコミュニケーション学会学術集会(2021年9月26~27日)に口演発表を行いました。
    演題:医療英語能力開発の現状と展望 -特に国際医療英語認定試験(CBMS)の実施分析-
    筆頭著者: 林 依里子